地球温暖化を考える際に避けては通れないのが、エネルギー問題である。
とりわけ、石油を中東からの輸入に頼ってる日本にとっては、
エネルギー安全保障がきちんとなされているかどうかは、大きな関心事だ。
例えば1973年のオイルショックの際は、街角からネオンが消え、
トイレットペーパー買い占め問題など、狂乱物価と称された、
インフレに繋がっていった。
オイルショックが起きた原因は、中東戦争と大きな関係があったわけで、
今後も同様のことが起こる可能性はある。
2011年には、チュニジアやエジプトなど中東諸国で、
民衆革命が起き、独裁体制が打倒され、
”アラブの春”と呼ばれた出来事は、記憶に新しい。
もっとも、民主化が実現したはずの国で、新たな内部抗争などが起こり、
泥沼化しているケースもあるなど、中東をめぐる情勢は、
いつの世も不安なものがある。
また、かつては先進国の援助の対象だった、途上国と呼ばれた国達が、
現在は、新興国と評されるようになり、世界市場の中で、
日本の強力なライバルとなっている。
今後ますますその傾向は強まり、
国際的な力関係のバランスは、かなり変化すると予想される。
経済力と温暖化対策は、場合によっては、
反比例することもあり得るものだ。
というより反比例せざるを得ない。
産業に力を入れれば入れるほど、いくらエコに力を入れたところで、
排出される二酸化炭素などは、増えざるを得ないからだ。
環境に配慮することは当然だが、それを優先するあまり、
国力が低下しては、これからの国際社会を生き抜いていくのは難しい。
ましてや、民主主義が根付いていない国が跋扈しようものなら、
余計温暖化は進んでしまうだろう。
バランスを取った難しいかじ取りをこなしていくことが、
日本だけでなく世界のためになる。
企業が、グローバルな視点を持つことが当然になっている今、
国民一人一人においても、同様の視点を持たなければいけない時代に、
なってきていることを噛みしめたい。